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兄と妹


異父兄妹

「フリーダ、どうして帰ってきたの?」
「……まぁ、色々あってさ……orz」
「いろいろ?」
「そう、いろいろ。 “外の世界”はね、色々あるんだ」
「~~~リッサだって“お外”にいったわ」
「外に出ただけだろ? 俺は“外の世界”に触れてきたの」
「……どういうこと?」
「リッサには解らないよ。 俺も今やっと解るんだ」
「フリーダがばかなんじゃなくて?」
「………………それはグレイアースの教育への文句だと受け取っておく」
「∑(゜д゜)! やだやだやだぁっ。 いじわる!」
「嘘、うそ。(笑) グレイアースは関係ないよ。 ただ、――ただ、ね」
「ただ?」
「……ちょっと、時間がかかるんだよ。 リッサみたいなちびじゃ受け止めきれないから」
「!!(怒)」
「こーら。暴れるなって――俺でもまだちょっと、幼すぎたのかも知れないし」
「……?」
「そうだなぁ。 ……なにかに触れるっていうのはね、自分を省みることだ。 反省すれば、自分もまた変わっていくんだよ。――……」
「変化、 」
「――……うん」

 一息ついてしまった俺に、リッサは不思議そうな眼を向けてきた。
 別に俺だって、好きで歯切れ悪くしている訳じゃない。
 ただ――解っているのだ。
 この“郷”にとっては、“神(あるじ)”にとっては、決して「変化」は、尊ぶべきことではないのだと。
 それでもはっきり言って、俺は俺の選択に迷いなんてない。
 けれどそれを誰かに、――妹にまで押し付けるべきかと考えたら、絶対違うと思う。
 俺にとっての幸せは、自由であることだけれど、それが他の青翼種族にまで当てはまるとは思わない。

 神(あるじ)という規範があるから、青翼の暴力と殺戮は、絶対的な肯定を得る。
 そもそも、青翼は「飼われている」のだ。 勝手な変化は決して喜ばれない。 それが役目を放り出すようなものなら、なおさらだ。
 与えられ、赦され、楽園に飼われている神の剣。 存在自体がそうやって生まれるから、青翼の幸せは本来、そこにあるものなんだろう。 そう定められているんだろう。
 この妹の幸せも、飼われることにあるのかも知れない。 隷属こそ幸せなのかもしれない。

(憐れ、――だなんて……)
 思うのは、俺の主観だ。 自分が自分をどう思うかなんて、自分で決めることだ。

「誰かに決めつけられるものじゃないんだ。 自分で自分の道を選んで、自分の未来を決める――それが世界に触れるってことだと、俺は思う。 リッサじゃまだ早いよ。 変化はね、決して痛みもなく訪れるものじゃない……“自分”を変えるって、そんな優しいものじゃないよ」

 気持ち一つで自分は変えられる、なんてきれいなだけの歌も聞いたことはあるけど、鼻で笑ってしまった。 自分を変えるって、つまりそれまでの自分を否定することなのに、自己否定がそんなに軽いものでいいのか、って思う。 呵責もしがらみも抵抗もなく変えられる“自分”は、なんて安いんだろうと思う。
 そこまで気軽に捨てられる自分なら、変えるまでもない。 変えることに伴う痛みを感じる価値を感じない。

 あるいは自分を変えないで受け入れる、っていう方法もあるんだろう。 自分の弱さを認めて、それを受け止めて、それでも前を向ける人。 こんな私が私です、と爽やかに笑える人。
 すてきだな、とは思う。 けれどそんな器用なマネ、まだたぶん、俺にはできない。

「でもリッサ、自分を変えたいなんて、ぜんぜん思ってないわ」
「……だろうさ。 いいんだ、それで」
「――――――フリーダ、」
「うん?」

「なんでそんなに、哀しい目をするの?」
「……感傷かなぁ」

 不自然な隷属に疑問も抱かせてもらえなかった頃の、生き人形でしかなかった自分を、思いだすから。
 妹といる時間は、すこし、嫌いだ。


@郷帰り(´・ω・`)
フリーダとリッサは母親は一緒ですが父親は違います。
ちなみにこうは言うけど、ちゃんとフリーダはリッサを可愛がってますよ! 第一この野郎が他人の意志を尊重する時点で大切にしてることに他ならず!

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