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雪の夢見鳥



 ねぇ、
 ――ねぇ。
 力って何?
 何の為にあるの?


雪の夢見鳥



 何が正しいことなのか、あたしにはもう、何も分からなかった。

 ふらふら、半分さ迷いながらに歩く街は、誰もかれもみんな幸せそうに日々を過ごしているように見える。
 ……なんだろ、この違和感、この、疎外感……。
 笑顔がゆがんで見える、働く姿が虚ろに見える。
 遊ぶガキが眩しく見える、沈む夕陽が鮮やかに見える。

 あたしだけ色が抜け落ちたみたいで、ただ路傍に座り込んで、行き交う人の陰を見てる。

 この中のひとりでも、命を奪ったことがあるのかな、とぼんやり思った。

 あたしの髪の色が似てるって言われる、くすんだ沈みかけの太陽。
 それに染め抜かれるのはみんな、血に染まったみたいに見えてくるの。
 鮮やかに、鮮やかに、望みもしないのにあたしまで染めて……決して落ちない、緋色。

 そこまで思って、背筋を震わせた。
 忘れろ、忘れろ、と何回念じても、……駄目なの。拭いきれないの。

 あたしの魔法、全てを巻き込んで、何もかもを壊しそうで、怖いの。

 まともに声が出ないし、あれから1度も剣を抜けてない。
 だって、声は呪文になる。剣は、魔法の媒介になる。
 また、また……また、殺せる。

 殺しちゃうかも、知れないのに。
 今度は、人を。
 それも、大切な人達まで。

 怖い。怖いの。
 一瞬でぶわって込み上げる殺意って、全然止められなかったから。
 ねえ、あたしが魔道を志したのは間違い?
 感情も制御できない小娘が、容易に力なんて手に入れちゃ駄目だった?

 師匠……
 あたし、このまま破門して下さい。 どうせもう里になんか戻れない。
 だって……だって。
 だって、どんな顔して親に、兄ちゃんに、友達に逢えばいいの?
 あたし笑えないよ、もう。戻れない、昔に。

 だって、殺したんだよ? いのち、ひとつ。


 ひらひら、ひらひら。
 雪が落ちるように、蝶が踊るように、時間と共に、恐怖が腹の底を冷やして行くの。 身の内から、凍るの。

 ねぇ……

 あたし、どうすれば救われるの?


 孤独感と、疎外感とで。
 まるで厚い雪に押しつぶされたみたいな息苦しさが押し寄せて。

 そんなあたしを嘲笑うように、遠くで蝶が踊った気がした。
 紅く、紅く、血飛沫のように。

PBCをやっていて、思うが。
――PCが好き勝手にやっているほど、命なんて軽いものじゃあない。

どんな魔物にも、どんな悪役にも、正義の味方と同じだけの生きている意味と価値と責任があり、それは容易に無視してはいけないもの。
殺せばそれだけの重さが、そのまま殺した側に寄りかかる。

だからきっと普通の小娘の視線から見れば、
殺しなんてこんな自己中心の感情が浮かんでくる、果ての知れない恐怖でしかない。

人間、そんなに強く出来ていない。
力を持ってもそれのもたらす結果に対して全く無知で、そして貪欲に更なる力を求めて……
そんな状態で殺しをして、果たして正気でいられるのだろうか?



飽くまで、俺の考えではあるけれども。
フェニーが気鬱に陥るのも、当然と言えば、当然なんだと思う。


因みに夢見鳥(ゆめみどり)とは、蝶の別称。
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