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神殿騎士の日常。

「――何が悪いと言うんだッ、この世間知らずッ!!」
「神に向かってその口の利き方がありますか、この痴れ者」
「~~~~ッ!! クソ、減らず口! 行かず後家!!」
「後家で世界を護れるならばそれで結構、むしろ神の本懐です。 ……あら。婚約者の尻に敷かれているのは、どこの何方だったのでしょうね」

 そうして悶絶する神殿騎士を目の前に、深い海の色をした瞳の女神はいい加減、呆れたように溜息を吐いた。
 纏う衣は空を織り成したような滑らかな薄青、豪奢に床まで伝わせる髪は、蜻蛉の翅(はね)のような淡い青緑。
 金色の頭冠と簪をしゃらりと歌わせ、首を傾げる様さえも、絶世の美貌を引き立てる。
 ――そんな麗しき青の女神は、しかし眼前でいきり立つサフラン色に悩まされていた。

「いい加減になさい、アインクラングの若人。 この己の命令に背くなんて、本来ならば極刑も免れませんよ」
「知るものかッ。貴公がいちいち癪に障る物言いをするからだろう!」
「第一、その口調もただしなさい。本当、天地開闢より、このような不遜な人間はついぞ――」
「己の話も聞けッ、いい加減耳が遠くなったのか!?」
「……黙れ、と言うのが判りませんか。 ……判らないようですね」
「 う る っ さ い ッ !」
 どちらがだと思うんだ、と問い質したかったものの、いい加減水掛け論にしかならないことは目に見えていたため、頭を抱えることで言葉を切った。

「まったく――アインクラングの子孫というから、お前には期待していたのですが……どうやら血が薄れたのでしょうか」
「貴公への忠誠は真実だ、それ以上の何を求めるッ!?」
「――アインクラング、その氏を授かりし者、性忠実にして実直。修飾を好まず実力を愛し、誓いし信念と神にその命を捧ぐ――――あら、確かにお前のことを指していますね、フライ・ヘル」
「だぁああからッ、それの何が悪いと申すのだ!!」
「その性の総てです」
 あっさりと言い放てば、フライは面食らったように目を見開いた。
 本当、どこで教育を間違ったのか……一歩違えばきっと、もっとずっと優秀な使途となったものを。 女神がそれを悔やめど、時を戻すのは禁忌であるし、第一人間ひとりのためにそこまでするのも阿呆らしい。
 いっそ神殿から解雇しようかとも思えど、
「――人手も戦力も、足りないですし……」
「!?」
 思わず本音が漏れて、可愛げのへったくれもない神殿騎士は疑惑に目を眇める。
 本当、わかり易い子だ……いっそ感心さえして、女神は深く嘆息をした。
 “誇りを捨てろ”、“素直に従え”、“主観より理性を大切に”――それらをこのフライにまともに説けたら、どれだけ胸のすくことだろう?
 それをできないのは一重に、彼の倣岸不遜で考えるより先に口が出る厄介な性分のせいだった。


 このままでは神殿の威厳と静寂を保てない――そうして女神は、日々悩んでいる。

フライが仔狐化の呪いを掛けられる以前の、神殿の日常(爆
いっそ役回りにリリシャとか使おうかとも思ったのですが、流石にそれはまずかろうと。
……喧嘩になったまま朝から晩まで終わりゃしない(・∀・)
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